事業成果物名 |
ANNUAL REPORT 2016
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事業成果物概要 |
アジア太平洋地域の20カ国・地域は、同地域における寄港国検査(PSC)の協力に関する合意(MOU)を締結し、共通の基準でPSCを実施しています。当該合意は、1993年に東京で最終的に採択されたため、東京MOUと呼ばれています。
Annual Report 2016は、東京MOUに基づく2016年の活動状況を紹介するものですが、その概況は、以下のとおりです。 1.2016年の活動状況 (1)集中検査キャンペーン(Concentrated Inspection Campaign(CIC)) 2016年は貨物固縛方法に関するCICをパリMOU等と合同で実施し、期間中8,367件の検査を行いましたが、CICに関する航行停止処分率は、実施期間中の平均(3.23%)を大幅に下回る0.45%となるなど、総じて条約等の規定がよく順守されている状況が確認されました。2017年には、ECDISを含めた航行の安全に関するCICをパリMOUと合同で実施する予定です。 (2)悪質船(Under-performing ships)の減少 東京MOUでは、劣悪な船舶を域内から排除するため、過去1年間に3回以上航行停止処分を受けた船舶を悪質船(Under-performing ships)として毎月公表し、域内各港に入港する毎にPSC検査を行う措置を2011年から講じています。この措置により、悪質船の数は減少してきており、2016年は2011年と比較して、悪質船の隻数が70%減少しました。 (3)PSC委員会第27回会合の開催 東京MOUの意思決定機関であるPSC委員会が豪州ホバートで10月に開催されました。同委員会の主要な決定事項等は次のとおりです。 ① PSC対象条約にバラスト水管理条約を追加 ② サモアのオブザーバー申請を承認 ③ 事務局長の交代(岡田光豊→久保田秀夫)の承認 ④ 第3回パリMOU・東京MOU合同閣僚会議(2017年5月、於:バンクーバー)開催準備状況の報告 (4)研修事業の実施 日本財団の御支援を得て、研修5か年計画(2016-2020年)に従って、一般研修、専門家派遣研修、PSC検査官交流研修、セミナー及び専門研修を実施しました。 また、日本財団の助成を受け、中東PSC組織(リヤドMOU)へ東京MOUの専門家を派遣し同MOUのPSC検査官等に2月から3月にかけて2週間の研修を実施しました。 さらに、11月には、インド洋PSC組織(インド洋MOU)事務局の要請により、同MOUへ東京MOUの専門家を派遣し同MOUのPSC検査官等に2週間の研修を実施しました。 なお、上記一般研修並びにリヤドMOU及びインド洋MOUでの研修には、IMOの資金により他MOU(パリMOUを除く。)のPSC検査官も参加しました。 2.2016年のPSC実施結果 (1)概況 域内の検査件数は、31,678件で前年(31,407件)と比べ微増。検査1件当たりの欠陥指摘数は2.56件(前年2.66件)、航行停止処分率(同3.67%)は3.44%といずれも過去最低を記録しました。悪質船の隻数減少とともに域内PSC実施により一定の効果が上がっているものと評価できます。 (2)検査率 検査率(検査隻数/入港隻数)は、前年を1ポイント上回る71%でした。 (3)欠陥指摘数 指摘された欠陥総数は81,271件(前年83,606件)と微減。指摘された欠陥を範疇ごとに見ると、昨年同様、防火消防関係が最も多く、次いで航行安全関係でした。 (4)航行停止処分件数 航行停止処分件数は、1,090件(前年1,153件)であり、前年同様、航行停止処分に至った欠陥のうち、救命艇に関する欠陥が最も多数を占めました。当局別にみると、中国及び香港では20件以上減少し、韓国及びマレーシアでは10件以上減少しました。 (5)旗国格付け 各旗国の登録船腹の航行停止処分率を元に旗国のパフォーマンスのランク付けを行っていますが、ブラックリストに掲載された国は10か国(前年は12か国)となり、ワースト1、2位は、それぞれ前年同様、モンゴル、シエラレオネでした。なお、継続的にブラックリストに入っているカンボジアは、2016年半ばに便宜置籍船の登録を停止しましたが、この影響で、2016年東京MOUでのカンボジア籍船の検査件数は前年比65%減少しました。 (6)ROパフォーマンス RO(認定検査機関)に対する評価では、”very low”及び”low”に該当するものは前年同様なく、”medium”及び”high”がそれぞれ9(前年8)及び23(同22)でした。 |
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助成機関 |
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事業成果物種類 |
報告書
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事業成果物 |
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