多治見地区手をつなぐ親の会の会員６名が設立メンバーとなり、H14/7に社会福祉法人「みらい」を設立、H15/4に通所授産施設「けやき」を開設しました。
　開設までの活動としては、H12/5に法人設立準備会を発足し、準備を進めて来ましたが、H13/9に多治見市長以下福祉関係者の方々のご尽力により、市有地の無償貸与の話がまとまり、法人設立、３０名定員の授産所開設が実現しました。
　総事業費は約１億７０００万円で、国・県・市の補助金と自己資金３２５０万円で建設いたしました。けやきはオープン前に小規模作業所等の運営をしていた訳でもなく、職員募集、授産事業の確保などから始まり、オープン後も鉛筆１本、ノート１冊をそろえる所からのスタートでした。
　利用者の人達は他３施設からの移動、障害者向け洋裁教室、養護学校卒業生、在宅の人など多岐にわたり、利用者同士が馴染みのない人の集まりであった事もあり、人間関係のトラブルが多くあり、最初の１～２年は作業の能率もなかなか上がらず、全ての面で本当に苦労の連続でした。
　代表の柴田勇夫は、H13/1までは一般の企業に３２年間勤務していましたが、退職し、H15/4以降けやき所長、又みらい理事長として勤務しています。

　法人みらいは設立から15年を経過しました。法人の事業体制としては、日中活動支援として「けやき」、「第2けやき」、「第3けやき」、「第4けやき」、「けやきカレッジ」「けやき可児」、居住支援として「ＣＳポート」、在宅支援として「Ｕライフ」、相談支援として「相談支援センターリンク」という8つの事業所からなる体制をとっています。
　日中活動支援事業所である「けやき」、「けやき可児」は就労移行支援事業と就労継続支援B型事業の多機能型でそれぞれ定員は40名、30名です。「第２けやき」と「第４けやき」は生活介護事業を行う事業所でそれぞれ定員は20名です。「第３けやき」は就労継続支援B型事業と生活介護事業の多機能型で定員は20名です。「けやきカレッジ」は就労移行支援事業と就労定着支援事業の多機能型で定員は20名です。現員は５事業所を合わせると154名となっています。このなかでも特に「けやきカレッジ」では就労支援に力を入れており、2年間で21名の方がここから一般就労しています。
　4つの事業所が行っている作業は、1.クリーニング、2.縫製等の自主製品加工、3.弁当販売、 4.サブコングループ・段ボール打抜き、箱組立て作業他委託加工等の作業があります。
　他に就労移行支援事業の一環として、施設外就労・支援事業で、次の事業所と作業訓練実習を実施しています。
1.市役所、2.おかざきまりこクリニック
3.オリエンタルビル、4.マルイ不動産、5.協業組合アイカ 、6.その他草取り等の請負作業　
　ここでは、草取りなどの請負作業に交代で参加することにより、ほぼ全員が施設の外に出て働く経験を積んでいます。この中で、一般就労できる人は一握りですが、将来の地域移行を目指して、以下の意識で実施しています。
・社会性を身につける、経験をしなくてはわからない
・就労支援員を付け送迎、作業支援、事業所との話合い実施
・いろんな企業との結びつきが必要→地方都市での人脈を有効利用している
　けやきでは、どんな障害の重い人でも仕事をして給料を貰いそのお金で何か好きなものを買ったり、生活する事により、働く事の意義を見いだす事を目指して取り組んでおり、将来の「親なき後」の生活を支える為の所得保障として、障害年金と給料で月１０万円の収入を目指しています。
　事業の売上は、平成30年度は全体で約7,000万円となり、工賃はまだ目標には届きませんが最高で４万円、平均１万８千円（賞与込み）となりました。
　居住支援を行う「ＣＳポート」は、8棟定員計41名のケアホームを運営する事業所で、日中活動終了後のホームでの共同生活による自立に向けた生活支援を行っています。
　在宅支援を行う「Ｕライフ」は、主に障害児に向けたサービスで、放課後等デイサービス事業、児童発達支援事業、日中一時支援事業、移動支援事業を行っており、個別・集団療育、理学療法士による機能訓練を通じて児童に対する支援を行っています。
　相談事業所である「リンク」では委託相談事業と計画相談支援事業を行っており、法人の利用者だけでなく近隣に住む在宅の障がいを持った方から相談を受け、相談者のニーズに合った適切な福祉サービスの提供ができるような支援を行っています。

　日中活動支援の場である「けやき」、「第２けやき」、「第3けやき」、「第4けやき」、「けやきカレッジ」の利用者の増加が著しく、来年度以降も特別支援学校の卒業生のなかで当法人を利用希望される方が多くいるのが現状です。
　そういった中で作業スペースの確保、作業の開拓、作業量を充実させていくとが喫緊の課題であるため、この課題をクリアすべく運営を行っていきます。
　ただ、こういった多くの需要があるのも、Ｕライフから幼児、学齢期の方を受け入れ、成人に近づくにつれてけやき等への利用を希望される、親亡き後の生活の場はＣＳポートがある。というシームレスな支援体制が法人として整いつつあり、法人の理念である「どんな障害を持った人も地域の中で生活する」という理念に共感を持って頂いているためと思っています。
　今後もそういった障がいのある方への生涯にわたっての一貫した支援体制を作り上げて行くべく、サービスの質の向上を図り、多くの方に必要とされ、また地域に根ざした法人となるよう活動していきます。　

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社会福祉法人会計基準