事業成果物名 |
タイ国におけるエネルギー海上輸送の安全性向上を図る船舶建造計画に関する調査
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団体名 |
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事業成果物概要 |
は じ め に
(社)日本中小型造船工業会では、我が国造船業・舶用工業の振興に資するために、日本財 団からボートレースの交付金による助成金を受け、(財)日本船舶技術研究協会の協力のもと、 「船舶関連海外情報収集及び海外業務協力」事業を実施しております。その一環としてジェト ロ関係海外事務所を拠点として海外の海事関係の情報収集を実施し、収集した情報の有効活用 を図るため各種報告書を作成しています。 本書は、(社)日本中小型造船工業会と日本貿易振興機構(ジェトロ)が共同で運営してい るジェトロ・シンガポールセンター船舶部(矢頭康彦所員)が、タイ国におけるエネルギー海 上輸送の安全性向上を図るためのタイ国内での船舶建造計画に関して調査を行ったものです。 タイ国では年間33,170,000KL(91,000KL/日)の石油を消費し、石油消費量の約55%が 海上輸送されておりますが、タイ国でのエネルギー海上輸送を担うタンカー(2011 年現在で 207 隻)平均船齢24 年と老朽船が大半を占め、船齢20 年以上のタンカーは134 隻で全体の 65%におよび、その安全性と海上汚染が懸念されているところです。 このような状況下において、運輸省海事総局(Marine Department)は海事産業振興政策 として内航海運振興と造船産業振興を推進している中で、IMO による海上汚染防止条約の内 航船舶への適用、2014 年の発効を決定いたしました。この規則発効に伴い、現在船齢20 年 以上のタンカー134 隻は運航が不可能となります。この状況を改善するため、運輸省、工業省 及びタイ造船・修繕工業会は、沿岸輸送振興と造船産業振興策の一環として今後5 年間で船 齢25 年を超える110 隻の内航タンカー近代化計画を作成し、海事産業振興委員会 (Maritime Promotion Commission/委員長はタイ国首相)に実施計画を提出し、その推進 検討が承認されました。 現在、財務省の審査作業を経て、海事産業振興委員会の承認後、閣議決定の予定で計画を推 進しているところであり、工業省、造船・修繕工業会及び船主協会(タンカー運航船社)は本 計画を推進するための委員会を設立し、建造計画に関わる協議を開始したところであります。 現在、タイ国で運航されているタンカーはその大部分が日本建造の中古船舶であり、その仕 様と性能がタイ国沿岸輸送に適していると評価されており、本計画を推進する上で日本造船・ 舶用産業の協力が期待されております。 本調査では、このような状況を踏まえ、タイ国におけるエネルギー海上輸送の実情を調査し、 エネルギー海上輸送の安全性向上を図る船舶建造計画を検討するとともに、タイ国海運・造船 業の発展につながる経済協力のあり方を検討いたしました。 本調査が、タイ国経済の発展と環境保全に寄与するとともに、当該地域にご関心をお持ちの 方々にご活用頂ければ幸いです。 ジェトロ・シンガポールセンター船舶部 (社団法人日本中小型造船工業会共同事務所) ディレクター 矢頭 康彦 |
助成機関 |
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事業成果物種類 |
報告書
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事業成果物 |