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2011年度調査報告書小中学生の「英語の読み困難」実態調査~音韻的気づきと読む力の相関性~
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事業成果物概要 |
○報告書の要旨
知的には遅れがないにもかかわらず、読み書きに特異的な困難を示す子ども達がいる。そしてその困難は、英語の読み書きにおいて、日本語の場合以上の割合と深刻さで表面化すると考えられている。 そこで、中学1年生162名、小学5年生276名を対象に、「読み書き困難」の主因と目される「音韻的気づき」「音韻処理能力」について調査を行った結果、1) 独自に考案した特殊表記を用いた「無意味語読み課題」では、個人間で処理速度に大差がある一方で、小中学生間の差が存外に小さいこと 2)「アルファベット入れ替え課題」(frost / frontなどを聞いて、後の語の何文字目がどの文字に入れ替わったかを解答する)の成績は全般に低調であること 3)「英単語読み課題」では、既習語 parkの正解率90.1%に対して、未習語darkの正解率は57.4%、これを「ダック」「カード」とする生徒がそれぞれ24.1%、8.0%もいることが明らかとなった。さらに、4)「既習単語読み課題」では「特殊表記読み課題(4モーラ)」との間でrs = .52、「アルファベット入れ替え課題」との間でrs = .61、5)「未習単語読み課題」では「特殊表記読み課題(4モーラ)」との間でr = .53、「アルファベット入れ替え課題」との間でr = .57(いずれもP<.01)の高い相関が認められた。 以上からうかがうことができたのは、日本人EFL(外国語としての英語)学習者は概して「音韻的気づき」に乏しく「音韻処理」に不慣れなことであり、その結果として生じる「ボトムアップによる読み」と「トップダウンによる読み」とのバランスの悪さを改善するための指導が必要であることが推察された。 |
助成機関 |
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事業成果物種類 |
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