事業成果物名

2014年度 ブラジル造船・舶用工業市場調査報告書

団体名

事業成果物概要

 ブラジル社会は、この1 年の間に大きな変貌を遂げつつある。ワールド・カップ・サッカー、オリンピックの開催を契機に、大幅な経済成長を遂げるべく、『成長促進プログラム(PAC)2:ブラジルの中期インフラ投資・整備計画』をはじめ様々な成長政策が急速に進められてきたところであるが、今般の大統領選挙、これに関連してのペトロブラス汚職事件(受注大手建設会社等による政権政党・関係者への賄賂・闇献金)の発覚、さらには、この半年間での原油価格の従前の価格に比しての概ね半値への急落など、ブラジル社会・経済を取り巻く状況は、未だ嘗てない程に暗雲が垂れ込めつつあるところである。
 ブラジル政府は、石油開発等海洋資源開発の分野でも積極政策を展開し、同分野を支える海事産業クラスターの育成を主要施策としてきたが、ブラジルのGDP の1 割に相当する産業パワーを持つペトロブラス社と政府を巻き込んだこの汚職問題によって、現在、ブラジル海事産業クラスターが主である造船・海洋産業界は停滞を余儀なくされている。ペトロブラス社は、この2 月上旬に一新された役員会の下で、これまで掲げてきた2020 年の日産量420 万バレル達成という開発・生産計画の見直しに着手した。今後は、国際的な原油価格の動向や、現在のブラジルの社会・経済の動向を踏まえた、より現実的な生産計画の実施(現計画の修正)を余儀なくされており、2 月末現在、内容・発表時期も未定ではあるが、新たな5 か年計画は、概ね大幅な縮小が予想されている。
 本調査結果の内容は、調査実施時期の関係や新計画が未発表である状況から、従来の計画を前提にしたブラジルの状況把握となっていることを申し添える。しかしながら、今後、新たに公表される計画は、本稿に収めたこれまでの計画目標を修正・変更する形となると考えられるので、公表された段階で、上記のような取り巻く環境の変化を加味しつつ、それらの計画内容を従来シナリオとの比較検証し読み説くに当たっては、この調査結果は有効に活用しうるのではと思料するものである。新体制の下で示される新たな戦略計画が、ブラジルや日本の造船・舶用産業界関連産業界にどのようなインパクトを以て受け止められ、そして、その中で、関連する産業界がどのような期待を以て挑戦して行く事になるのか今年の動きに注目したい。
 今後のブラジルの造船・海事産業の展望は、短期的には非常に厳しいところであるが、永年ブラジルで活躍実績を有する日系企業の幹部曰く、「ブラジルは10 年・20 年のビジネス」とのこと。今回の調査が、ブラジルの海洋開発関連市場に興味をお持ちの皆様の参考となり、ビジネス発掘に少しでもお役に立てれば幸甚である。

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事業成果物

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2014年度 ブラジル造船・舶用工業市場調査報告書_1

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事業成果物名

2014年度 ブラジル造船・舶用工業市場調査報告書_2

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事業成果物名

造船関連海外情報収集及び海外業務協力

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