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2017年度第3回FI研究会公開勉強会「マレーシアにおけるイスラム金融型MFの動向」概要報告2018-2c
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去る1月28日、金融包摂の重要性を啓蒙するために活動している社会デザイン学会ファイナンシャル・インクルージョン研究会は、当研究会の創設メンバーであり、中東イスラム研究に関わっている八木正典氏を講師に迎え、公開勉強会「マレーシアにおけるイスラム金融型マイクロファイナンス(MF)の動向—イスラム法適格のMFは、なぜマレーシアでは成功しているのか」を実施しました。概要およびプレゼン資料別添のとおりです。
●イスラム法(シャリア)適格の金融システムであるイスラム金融を活用したマイクロファイナンス(MF)は世界的にはいまだ低調であるにもかかわらず、多民族・多文化国家マレーシアでは、同国最大のMF機関であるアマーナ・イクティヤール・マレーシア(AIM)が5人組グループ形成、集会・毎週返済、連帯責任制を特徴とする旧グラミン方式を採用しつつ、利子なしの少額融資を提供し、拡大を続けている。 ●AIMは、イスラム金融の融資のメカニズムを多様化するのではなく、「タワッルク(コモディティ・ムラーバハ)」というひとつの類型に絞りこみ、現金を顧客に提供する手段と割り切って、効率的に融資を実行していることが認識された。国際イスラム法学会は、2009年に組織的タワッルクは、イスラム法不適格であるとの烙印を押したにもかかわらず、マレーシア中銀のシャリア諮問評議会は、タワッルクを合法とみなし、さらにタワッルクの仕組みに商品取引プラットフォームを導入し、電子式に取引を確認できるようにすることで、合法性を高めようとしてきた。 ●マレーシアは、イスラム金融を国家戦略の柱のひとつに掲げており、イスラム金融型MFも例外ではない。本来商品の移動によって課せられるはずの物品・サービス税(標準6%)からもタワッルクの取引は、非課税扱いになっている。旧グラミン方式を採用することで、顧客の負担はあるものの、通常金融の利子に相当する管理費は10%であり、かつ、負担をはるかに上回るビジネス支援等の恩恵を受けられることが、顧客を引きつけているといえる。 |
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