事業成果物名 |
平成29年度(2017年度) 海洋掘削リグの泥水処理用ポンプの技術開発 成果報告書
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団体名 |
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事業成果物概要 |
1.事業名
海洋掘削リグの泥水処理用ポンプの技術開発 2.目的 昨今のエネルギー需要拡大に伴い、海底油田や海底ガス田等の海洋資源が注目されている。我が国でも海洋基本法、海洋基本計画を基に策定された国土交通省の「海洋産業の戦略的育成のための総合対策」において、「将来のEEZ 開発を他国に依存せず自前で行う技術の確保」が謳われている。一方で、1980年代後半に日系各社が海洋資源開発分野から撤退しており、海洋資源開発で使用される掘削リグに搭載される機器、設備のほとんどは米国をはじめとする海外製品が使用されている。また、1社独占状態にある機器もあり、これらはユーザー視点から複数社による技術革新および価格の妥当性の実現が望まれている。『泥水』使用に伴う課題への対策として、「二重ケーシング構造」と「専用メカニカルシール」を採用した掘削リグで使用される低圧泥水ポンプとしては、世界初のチャレンジである。 3.事業内容 本事業は、平成28年度および29年度の2ヶ年計画で行うもので、以下を実施した。 [平成28年度の事業内容] 1)Ⅰ試作ポンプ計画設計 泥水処理用ポンプの流路計上・構造の検討を行い、本開発で採用する計上の候補を決定した。 2)Ⅰ試作ポンプ流体解析 今回採用する形状・構造に対して、流体解析を実施し、ポンプ接液部の形状・構造の最適化を行った。 3)Ⅰ試作ポンプ詳細設計 Ⅰ試作ポンプ計画設計およびⅠ試作ポンプ流体解析をもとにⅠ試作ポンプの詳細設計を実施した。 4)Ⅰ試作ポンプ製作 設計をもとに、Ⅰ試作ポンプの製作を実施した。接液部となる「内ケーシング」、「インペラ」、「バックライナー」、「吐出しノズルスリーブ」には耐磨耗性の高い高クロム鋳鉄を使用し、それ以外のケーシング部品にはポンプケーシングで一般的に使用されるダクタイル鋳鉄を使用する。 5)試験装置設計 次年度実施予定の試作ポンプの試験内容の確認を行い、試験装置設計にてその内容を踏まえて『泥水』の製作および調整を行うことができるように調泥用機器を組み込んだ装置構成の検討を行った。 6)試験装置製作 5)の設計をもとに、試験装置の製作を実施した。 7)報告書の作成 開発成果に関する報告書を作成した。 [平成29年度の事業内容] 1)Ⅰ試作ポンプ試験 「①清水を用いた性能試験」、「②異なる比重の泥水を用いた性能試験」、「③接液部品と軸封部の機能確認を目的とした泥水を用いた連続運転試験」の3種類の運転試験をⅠ試作ポンプで実施した。 2)Ⅱ試作ポンプ計画設計 Ⅰ試作ポンプの性能試験結果および連続運転試験による接液部品等の評価結果に加えて、Ⅰ試作ポンプの組立/分解作業から確認したメンテナンス性を考慮して構造の再検討を実施した。 3)Ⅱ試作ポンプ流体解析 Ⅰ試作ポンプの泥水による連続運転後の評価より、Ⅰ試作ポンプの流路は泥水による局所的な摩耗や損傷が確認されなかったため、Ⅱ試作ポンプではⅠ試作ポンプの形状とⅡ試作ポンプ基本設計であげた改善策をもとに、要求性能を満たす流路形状の検討を行った。 4)Ⅱ試作ポンプ詳細設計 Ⅱ試作ポンプ計画設計およびⅡ試作ポンプ流体解析をもとにⅡ試作ポンプ詳細設計を実施した。 5)Ⅱ試作ポンプ製作 Ⅱ試作ポンプの製作、組立を実施した。また、本項目実施時に2重ケーシングの組立およびインペラとケーシングの隙間調整の作業性確認も実施し、Ⅰ試作ポンプと比較して作業性の向上を確認した。 6)Ⅱ試作ポンプ試験 「①清水を用いた性能試験」、「②異なる比重の泥水を用いた性能試験」、「③接液部品と軸封部の機能確認を目的とした泥水を用いた連続運転試験」の3種類の運転試験をⅡ試作ポンプで実施した。 7)報告書の作成 開発成果に関する報告書を作成した。 |
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助成機関 |
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事業成果物種類 |
報告書
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事業成果物 |
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