事業成果物名 |
平成31年度事業報告書
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団体名 |
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事業成果物概要 |
1 事業の成果
1.自然エネルギーの住民参加型学習会・フォーラムの開催事業 福井県立大学のオープンカレッジ前期・後期を協働運営することになった。内容は、再生可能エネルギー全量買い取り制度が、昨年からスタートして、このような再生可能エネルギーの政策や動向の中で、福井という地域を軸にその可能性と問題点を検討していきたい。 このことは世界から見た福井の再生可能エネルギーの現在をどのように捉えるかということでもあり、参加者とともに考えてみようと思い実施した。福井キャンパスでの講座では杉村理事長、増田副理事長が中心になって実施した。 また、新たな取り組みとして、これも福井県立大学の研究会「匠の里の地域未来像―今立の和紙文化の継承と現代的発展の応用人類学的研究」の取り組みを活かして、越前和紙の産地の抱える課題や将来展望を被研究対象者の全面的な参加の下実施した。その成果として、「神と紙の里の未来学」(編著:杉村和彦・山崎茂雄・増田頼保 出版社:光洋書房)を出版した。 内容は、和紙の文化伝統の持続性と変貌の地域現象を応用人類学的手法で、地域内部からその変貌の意味世界を描き出す。それは「伝統を守る」ということと「伝統から逸脱し」、新しい和紙の用途や価値を創造しようとする試みの間に激しく揺れている現代の和紙職人たちの選択と創造のうちに生きられた世界を取り出すことであり、その実像を多様なインタビューを用いて、立体的に描き出した。 特に、「伝統」を守ろうとする視点に対して、新しい変化を生み出し、和紙文化の新たな創造ともいえる活動の層を以下の三つの視点から取り出すことに重点を置いた。 オープンカレッジの開催・協働 ① 平成31年事業 ◎前期 ◎第1回 総論―タンザニアの現地で考えたこと 【講師】 吉川 守秋/エコプランふくい 事務局長 【日時】 5月30日(木曜日) 19時00分~21時00分 ◎第2回 タンザニアの現地で考えたこと-タンザニアの風力開発 【講師】 増田頼保/福井県立大学非常勤講師 【日時】 6月6日(木曜日) 19時00分~21時00分 ◎第3回 アフリカの地域の人がわかることわからないこと 【講師】 根本泰行/足利大学教授 【日時】 6月13日(木曜日) 19時00分~21時00分 ◎第4回 ソーラー発電失敗学のマニュアル本を共同でつくる 【講師】 根本泰行/足利大学教授、杉村和彦/福井県立大学教授、増田頼保/福井県立大学非常勤講師 【日時】 6月20日(木曜日) 19時00分~21時00分 ◎第5回 市民発電所と姉妹村運動ーできることは何か? 【講師】 竹本沙織/JICA福井、阪本克之/福井大学院生 【日時】 6月27日(木曜日) 19時00分~21時00分 ◎後期 ◎第1回 自然エネルギーが繋ぐ21世紀ー福井とタンザニア 【講師】 杉村和彦/福井県立大学教授、増田頼保/福井県立大学非常勤講師 【日時】 10月31日(木曜日) 19時00分~21時00分 ◎第2回 タンザニアー農村開発と自然エネルギーの可能性 【講師】 増田頼保/福井県立大学非常勤講師、根本泰行/足利大学教授 【日時】 11月7日(木曜日) 19時00分~21時00分 ◎第3回 市民が支える農村発展 【講師】 吉川 守秋/エコプランふくい 事務局長 【日時】 11月14日(木曜日) 19時00分~21時00分 ◎第4回 ここまで来たタンザニア姉妹村プロジェクト 【講師】 竹本沙織/JICA福井、阪本克之/福井大学院生 【日時】 11月21日(木曜日) 19時00分~21時00分 ◎第5回 メディアから見たタンザニア姉妹村プロジェクトの現代的意味 【講師】 森瀬 明/福井新聞 【日時】 11月28日(木曜日) 19時00分~21時00分 2.地域の森林文化の伝承と地域内からの発展を目指した研究事業 3.森のエネルギーの実験調査研究開発事業 ◎福井小水力利用推進協議会協働事業 4.自然エネルギーと自然エネルギーを使った芸術の普及・啓蒙事業 参加人数:親子 紙を使った芸術の普及・啓蒙事業 タイトル:第31回今立現代美術紙展IMADATE ART CAMP春展 会期:制作期間2019年4月19日~4月26日 展示期間2019年4月27日〜5月6日 歓迎会:2019年4月17日参加者・関係者の顔合わせ 町歩き:2019年4月18日今立町内町歩き、紙漉き工房見学会 公開制作:2019年4月19日 会場:いまだて芸術館 〒915-0242 福井県越前市粟田部町 11-1-1 タイトル:第31回 今立現代美術紙展 IMADATE ART CAMP 2019春展 参加作家:10人、来場者約1,029人 開会式:2019年4月27日(土曜日) 午後1時から シンポジウム:2019年4月27日(土曜日)午後2時から ゲスト:BIWAKOビエンナーレ代表 中田洋子氏 参加作家:10人、来場者約50人 閉会式:2019年5月6日(日曜日)午後2時から ライブ・パフォーマンス ゲスト:バッカナル、加藤美香、山下憂 会場:いまだて芸術館ホワイエ 〒915-0242 福井県越前市粟田部町 11-1-1 参加作家:10人、来場者約70人 タイトル:第31回 今立現代美術紙展 IMADATE ART CAMP 2019秋展 参加作家:7人、来場者約2,018人 会期:制作期間2019年10月9日~10月18日 展示期間2019年10月19日〜10月27日 歓迎会:2019年10月7日参加者・関係者の顔合わせ 町歩き:2019年10月8日今立町内町歩き、紙漉き工房見学会 公開制作:2019年10月9日 会場: あいぱーく今立(今立総合支所) 福井県越前市粟田部町9-1-9 西野家住宅 福井県越前市定友町4−8−1 岡本公民館 福井県越前市定友町10−2−2 信洋舎製紙所 福井県越前市定友町12−13 越前市手わざ工房 福井県越前市新在家町2−26−1 越前市卯立の工芸館 福井県越前市新在家町9−21−2 福井県和紙工業協同組合旧倉庫 福井県越前市大滝町11−11 元山下ブリキ店 福井県越前市大滝町11−8−1 元オーマート 福井県越前市大滝町25−19 記憶の家 福井県越前市大滝町27−16 円成寺 福井県越前市大滝町24−13 安楽寺 福井県越前市大滝町27−40 開会式:2019年10月19日(土曜日) 午後6時から 会場:岡本公民館 越前市定友町10−2−2 参加作家:15人、来場者約158人 ライブ・パフォーマンス:Paper Ensemble(Jochem van Tol氏、Ibelisse Guardia Ferragutti氏) ライブ:加藤美香氏、半分じゃず(山口秀法氏、大谷貴之氏、上坂朋佑氏) ライブ・ペインティング:辻井潤子氏、木村若菜(若冲)氏 アーティスト・トーク:2019年10月20日(日曜日)午後2時から 会場:越前市卯立の工芸館 福井県越前市新在家町9−21−2 ゲスト:Aïdée Bernard氏、Thomas Collet氏、Nicholas Cladis氏、Paper Ensemble(Jochem van Tol氏、Ibelisse Guardia Ferragutti氏)、木村若菜(若冲)、湊 七雄氏、 参加作家:15人、来場者約64人 ライブ・パフォーマンス:2019年10月20日(日曜日)午後4時から ゲスト:Thomas Collet氏、Nicholas Cladis氏、村田菜穂氏 会場:Thomas Collet氏は西野家住宅 福井県越前市定友町4−8−1 会場:Nicholas Cladis氏、村田菜穂氏は越前市卯立の工芸館 福井県越前市新在家町9−21−2 参加作家:15人、来場者約144人 創作和紙ワークショップ:2019年10月13日(日曜日)〜随時 会場:越前市手わざ工房 福井県越前市新在家町2−26−1 参加作家:5人、参加者約18人 活版印刷ワークショップ:2019年10月19日(土曜日) 〜随時 会場:信洋舎製紙所 福井県越前市定友町12−13 参加作家:3人、参加者約10人 今年は、「IMADATE ART CAMP 2019」を開催することになった経緯を少しばかり説明させていただきますと、今立現代美術紙展(以下、紙展)の40年にわたる歴史の中で、「ART CAMP」と名付けられた展覧会は1996年から数えて計7回目にあたります。昨年の紙祖神 岡太神社・大瀧神社1300年大祭・御神忌の年にあたり、1300年に因んで「第30回記念今立現代美術紙展1300展」とし、長い越前和紙の歴史に対するオマージュとして実施したものでした。今回の「IMADATE ART CAMP 2019」は、紙展の原点であります、今立現代美術紙展の当初からの「紙の実験展」に続くものでした。1979年の「紙の実験展」が第1回目。1980年の10回を記念しての実験展を契機に、隔年開催の実施を模索してきました。 そして、実行委員会の中から、現代芸術を取り巻く問題や解決方法を模索する実行委員会が研究体としての位置付けで「IMADATE ART FIELD」というコンセプトを生み出しました。当初より、紙の実験を行ってきた紙展ですが、紙漉きの里である「越前和紙の里=今立」地域を舞台に展覧会を実施して、展覧会場としての実験を再度行うために、作家と地域の関わりを深く掘り下げてみようということで実施したものです。 このIMADATE ART CAMPは、いわゆるアーティスト・イン・レジデンスで、開催地の旧今立地区(現在の越前市)に滞在しながら制作するものです。「越前和紙の里=今立」にある環境、地域に住む人々、文化、歴史などを肌で感じながら生まれてくる作品を展覧会という形で発表します。当然、制作中の作家たちの姿に触れることもできますし、声をかけて話し合うこともできます。そうした触れ合いの中に新しい人間関係が築かれてくるでしょう。 今回、春展の公募で参加してくれた作家たちの中には、海外から応募されて来てくれたり、地元高校生の参加もあったり、二人で一つのユニット「こそてとら」など幅広い展覧会になりました。そして、秋展ではフランス、アメリカ、オランダ、日本の招待作家たちの作品を春展の作品と合わせて「今立のまちなか」で展開することになりました。様々な会場で関わることになった地域の人々と作家の間に、legend=一つの伝説が生まれてきました。 それもそのはず、この地には昔から作家とこの地域の結びつきが強い、正に緊張の中から発現してくる関係性は、この地域に脈々と底通する志向性があったことが関係者の証言が浮かび上がってきました。明治・大正・昭和を代表する日本画家「横山大観」は岩野平三郎氏のところへ、同じく京都画壇の代表者「竹内栖鳳」は今回会場として初めて使わせていただいた「西野家住宅」で逗留していたということで、アーティスト・イン・レジデンスの聖地のようです。 例を述べると、木村若冲(若菜)の仏画教室では、紙漉き職人が多く参加し、地域の一般の人も巻き込んだ参加型ワークショップになりました。また、辻井潤子の紙漉き公開ワークショップでは、シンガポールから総勢12人の参加がありました。 そして、10月19日の開会式は、国会議員、福井県議会議員、越前市議会議員はじめ多数の来賓が各自祝辞を述べると共に、招待作家の自己紹介は大変和やかな内に修了しました。 開会式に続くオランダからのPaper Ensembleのライブ・パフォーマンスには100人を超えるお客さんがお見えになり、Paper Ensembleの制作した紙作品が静寂の中から生み出す音の造形空間は、研ぎ澄まされた緊張感を来場者に与えました。 「卯立の工芸館」でアメリカの作家Nicholas Cladisと伝統工芸士「村田菜穂」とのサウンド・アート・ライブ・パフォーマンスのコラボレーション「village tones(里の音色)」はこの展覧会のlegendとなりました。ご紹介したのはほんの一例ですが、Aïdée Bernardの極薄の自作の草紙による透かしポエムの入った作品には、大滝の滝前での自撮りダンスを投影させる複合的な作品が螺旋を描いて舞い上がっていたし、湊七雄の作品は「西野家住宅」の蔵における窓明かりを日本古来の方法としての観月的な楽しみ方を想起するような写し絵の作品となりました。 それぞれ生まれた環境や風土が違う中で、偶然にもこのART CAMPという機会を得て、一堂に出会った訳ですが、作家たちが寝食を共にしながら制作する一つの試みとしては実験的であり、様々な可能性に満ちたものとなりました。 紙をテーマにした展覧会は、地域の越前和紙の産地の協力の下で開催されてきました。福井県下の一般市民へのアピールを始め、県外からの作家関係者、一般観光客などへ、和紙の持つ様々な可能性を、この展覧会を通じて独自の和紙文化を理解してもらえる効果の他、岡太神社・大瀧神社の参拝客にも和紙の魅力をアピール出来ました。また、公募を行ったことにより、新しい作家の方やワークショップ参加者が増えて実行委員会としても大成功となりました。今年は福井国体があるのでそれらのアピールとしても福井を認識していただける機会の提供になります。 |
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