事業成果物名

2019年度 海生微生物を利用した船底防汚塗料の技術開発成果報告書

団体名

事業成果物概要

1.事業名
 海生微生物を利用した船底防汚塗料の技術開発

2.目的
 地球温暖化防止のため船舶も排出するCO2の抑制が求められ、船底にフジツボ等が付着して摩擦抵抗が増加し燃料消費量が増加することを防止するために、防汚剤を含む塗料が船底に塗装されている。一方、EUでは、海洋汚染防止の観点から塗料に含まれる防汚剤の規制が強化され、この傾向は世界に広がることが予想される。
 本事業は、海生微生物を利用して防汚剤を含まない船底防汚塗料を開発することにより、防汚剤による海洋汚染「ゼロ」と船底の摩擦抵抗低減により船舶が排出するCO2を抑制することを同時に実現することを目的とする。

3.事業内容
 本事業は、2018年度と2019年度の2年計画で行うもので、2年目の2019年度は以下を実施した。

1)塗料の設計
 2018年度の成果を基に、定着剤もしくは産生菌とバインダーとの組合わせで、最もバイオゼリー形成能が優れた船底防汚塗料を設計することができた。
2)塗料試作-2
 2018年度の成果を基に、定着剤・産生菌の種類と量及びバインダーの種類を水準に塗料を試作(13種類)した。
3)産生菌製造のスケールアップ検討
 培養したバイオゼリー産生菌を塗料用原料として供給するために必要なスケールアップ(工業的規模での製造)を検討した。
4)防汚性評価試験
 塗料試作-2で試作した13種類の塗料を用い、神戸大学内の筏及び弊社研究所内の筏において、試作塗板を試験枠に取り付けた後浸漬し5ヶ月間防汚性を評価した。
5)摩擦抵抗評価試験
 直径10cm円筒ドラムを用い、回転式円筒試験機により摩擦抵抗を計測する。比較として実施者標準型船底防汚塗料(防汚剤含有)を用いその効果を検証した。
6)塗料・塗膜物性評価試験
 塗装試作-2で試作した13種類の塗料を用い、船底防汚塗料の製品化に必要な性能評価試験(貯蔵安定性評価、タレ限界性評価、耐クラック性、密着性評価)を実施した。
7)長期防汚性予測
 塗膜界面と断面を解析することにより海生微生物の育成状態や化合物の残存率より長期(3年間)の防汚性を予測した。
8)実証実験
 2019年度に塗装した塗膜を継続評価すると共に、塗料試作-2の中で、製品化候補を選択し(5種類)、神戸大学「深江丸」の船体の一部分に塗装を実施し防汚性を評価。評価方法は水中カメラでの画像観察より行った。
9)報告書作成
 実施内容を取りまとめた報告書を作成した。

助成機関

事業成果物種類

報告書

事業成果物

事業成果物名

2019年度_JSMEA_海生微生物を利用した船底防汚塗料成果報告書

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形式:PDF 容量:8MB
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事業成果物名

日本財団図書館 海生微生物を利用した船底防汚塗料の技術開発

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